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トレピト > ニュース&トピックス > 会長自伝 (第9話)

第9
「”ナイナイづくし”の崖っぷちを脱出させてくれたものは─

 さて、アメリカ・サムソナイト社のカバンを製造するにあたって、私たちはアメリカ式の
”使い捨て下着”ではない、日本製の”上等のスーツ2”を作るというプライドと闘志を
持って、いざ製作!となりましたが、ここからが苦闘のスタートでもありました。
 これまで皮革を材料として作っていたカバンを、今度は本体をプラスチック、
枠をマグネシウム合金で作るのです。「え?これ、どうするの?」です。プラスチックは
元はといえば「粉」から「板」を作る。それには粉を入れて型を作る機械がほしい。
その機械は?それを動かす技術は?マグネシウム合金はどうするの?科学、機械工学、
電気の専門知識を持った人材と、機械が欲しい。それらをどこからどうやって調達するのか─
闘志とプライドの前に、山のような難題が立ち塞がりました。
 とにかく行動!調べまわってみると、戦争の傷跡がいかに深かったかを
痛感させられました。物資も技術も、元の軍需工場にきり残っていない
ことがわかりましたが、敗戦国・日本は、アメリカに物資はすべて押さえられ、9話イラスト-1.jpg
技術は封印されていたので。しかも、戦後20年の間に、技術は消えつつありました。
 やっとのことで、知人からの紹介でその後術が残されている「東急車両」という会社を探し出し、そこで機械を
作ってもらうことになりました。ところが、技術者に、日本では作っていない機械の説明をするのに四苦八苦。
─そのうちに私の頭に稲妻が走りました。。「この会社のこの技術者に作ってもらうより、この人をスカウトしてしまおう」─人材探しに必死でしたから、目の前に優れた技術者がいたら、確保しない手はありません。
幸いにも、彼はスカウトに応じてくれて、後の戦力になりました。─なんとご縁あることに、彼は伊達町出身の
菅野さんという人で、当時は軽自動車のエンジンの設計技術者でした。
 部品を作る機械は、武器を作っていた会社に頼み、なんとか、機械も技術者も揃いました。ところが、その後の
苦闘こそ”本番”でした。
 プラスチックは熱いうちに成型しないと固まってしまう。そうなれば一からやり直し。24時間、火を止めないで、
技術者2,3人が徹夜で試行錯誤の繰り返しです。また、マグネシウムも厄介で、160度~180度の熱で柔らかくなるが、それ以上熱いと溶けてしまう。自分も火に炙られながら、ちょうど良い熱さを保って加工する。まさに
火との戦いでした。作業に携わっていた担当社員は、工場脇のアパートで2,3時間仮眠しただけで、また現場に出る。残業手当などありません。みんなを突き動かしたものは、プライドと闘志だけでした。(私はアメリカ・デンバーのサムソナイト本社まで、技術や製造システムの勉強にも行きましたが、それはまた、次の機会に
お話しましょう。)
─こうして長い試行錯誤の月日が経ちましたが、昭和39年に私たちがエースに移籍してから、ようやく日本製
のスーツケースが市場にデビューする42年までの間、会社も設備投資と人件費だけに経費をつぎ込み、売上
なし、の苦闘を続けました。社員の努力を信じ、プライドを同じにして、崖っぷちで私たちを見守り続けた、
オーナーの新川社長にも、今感謝の念を新たにしています。
 さて、試行錯誤は続いていたものの、ついにリミットがやってきました。昭和42年、日本は不況でモノが
売れる確証のないまま、しかし、ここで製品を売りに出さないと、エース社の存続が危ういとうところまで
きてしまったのです。まさに、全員、崖っぷちの際、崖が崩れる音が聞こえるところまで追いつめられていました。
 満足度100%とはいえないまま、昭和42年3月、私たちの血と汗の結晶・日本製のプラスチックスーツケース
「デボネア」が全国のデパートにデビューしました。当時デパートにお目見えすることが、”一流品”の証であり、
新婚旅行が広がって、スーツケースに人気が集まっていましたから、「デボネア」は幸先のよいスタートを切り
ました。私たちのプライドが本当に満たされるものが完成するまで、さらに3年半の歳月がかかりましたが、この
苦闘がさらに会社の業績と信用を蓄積する礎となりました。 
 この後、私は、新たな製造工場の立ち上げと運営に北海道、台湾と、名のとおり航っていくことになりました。
 それはまた、次回に・・・。

 今も、サムソナイトの日本製スーツケースを見ると、遠い日の、あの炎の前で苦闘した、仲間たちの
真剣な眼差し、汗で光る額、現場の張り詰めた空気がよみがえってきます。
 そして、私たちをあの崖っぷちから脱出させたものは、「絶対にいいものを作る」という明確な目標と、
それを実行するためのシステム、そして全スタッフの渾身の努力であったと思います。そして試行錯誤の
長いトンネルの暗闇を照らしてくれたものは”アメリカ製の下着”でなく、”日本製の上等のスーツ”を
自分たちは作れるんだ、というプライドであったとも思います。

 もし、あなたが崖っぷちに立たされた時、そこから脱出させてくれるものは何ですか?



第1話 「名は体。あなたの名前は?」
第2話 「母親のかっぽう着のユニホームで、野球初年頑張る」
第3話 「チョイワル少年のふるさと・ふくしま」
第4話 「変えるべきもの、変えてはならないもの」
第5話 「ガキ大将、頑張る」
第6話 「ガキ大将、人生の岐路に立つ」
第7話 「悩みに悩んだ末の行く手を決めたものは─
第8話 「カバンは”使い捨ての下着”じゃない。”上等のスーツだ。─新世界「エース」での苦闘始まる。
第10話 「いつでもどこでも種まく人」だった」
最終話 「種まく旅」は故郷の港で終わった。あなたも良い航海を!





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